子宮内・膣内フローラ検査と環境改善について
グランレディースクリニック渋谷
Uterine Flora
子宮内や膣内の細菌環境が女性の健康や妊娠、出産などに大きな影響を与えることがわかっています。
細菌環境を詳細に把握するためにはフローラ検査(細菌叢検査)が効果的です。
この記事では、子宮内フローラ検査および膣内フローラ検査の概要や意義、細菌環境の改善方法などについて解説します。
子宮内フローラ検査・膣内フローラ検査とは
体内の特定の器官の細菌の集まり(=細菌叢)を「フローラ」といいます。そして、「どのような細菌が、どれくらいの割合で存在するのか」を調べる検査がフローラ検査です。
子宮内、膣内ともに「ラクトバチルス(乳酸桿菌:にゅうさんかんきん)」という細菌が重要な働きをすることがわかっています。
子宮内フローラ検査および膣内フローラ検査では、ラクトバチルスの存在の有無や割合、そのほかの善玉菌や悪玉菌の状態などを調べます。
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子宮内・膣内フローラ検査はこんな人におすすめ
子宮内と膣内の細菌環境は妊娠や出産に大きな影響を与えます。以下の方はフローラ検査がおすすめです。
- 妊娠を希望している
- 妊活や不妊治療が上手くいっていない
- 流産や早産の経験がある
- 子宮内や膣内の健康状態が気になる
- 性病ではないのに、おりもの異常がある
子宮内フローラ検査・膣内フローラ検査の料金
子宮内フローラ検査および膣内フローラ検査の料金は以下のとおりです。
| 子宮内フローラ検査 | 46,000円 |
| 子宮内フローラ再検査 | 41,000円 |
| 膣内フローラ検査 | 15,000円 |
| 膣内フローラ再検査 | 15,000円 |
子宮内フローラ検査の意義
子宮内フローラ検査の大きな意義は「子宮内の健康状態」と「妊娠や生児獲得のしやすさ」の把握です。
長年「子宮内は無菌である」という見解でしたが、近年になって「子宮内にも細菌が存在していること」がわかりました。
特にラクトバチルスの割合が重要で、ラクトバチルスが多ければ悪玉菌の増殖を抑制でき、子宮を健康な状態に保ちやすいのです。
子宮内フローラ検査を行い、細菌環境を知ることで、今後の妊娠や出産、不妊治療の計画が立てやすくなります。
また、子宮内フローラ検査では、子宮内に存在するすべての細菌の検出が可能です。中には、細菌性腟炎や早産、流産に関連する細菌もあります。
細菌性腟炎や流産、早産を繰り返している方は子宮内フローラ検査が原因究明につながる可能性も低くありません。
子宮内フローラが妊娠・出産に与える影響
ある調査により、子宮内のラクトバチルスの割合が妊娠率や生児獲得率に大きな影響を与えることがわかりました。
ラクトバチルスの割合90%を境に、以下のような結果が出ています。
ラクトバチルス90%以上
ラクトバチルス90%未満
| 検査名 | ラクトバチルス90%以上 | ラクトバチルス90%未満 |
|---|---|---|
| 妊娠率 | 70.6% | 33.3% |
| 生児獲得率 | 58.8% | 6.7% |
妊娠や生児獲得のしやすさにおいて、子宮内のラクトバチルスの割合は非常に重要です。
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子宮内フローラ検査の方法
子宮内フローラ検査では、専用の細胞採取器具を膣から子宮に挿入し、検体を採取します。採取した検体は検査機関に送られ、高精度機器によってDNAの分析が行われます。
DNA分析によって、子宮内の細菌環境がわかるという仕組みです。
検査機関に検体が到着して3週間程度で結果が返却されます。
器具の挿入は痛い?
「子宮内フローラ検査は痛い」という声をよく聞きますが、これは採取器具を膣内に深く挿入するためと推測します。
確かに検査時に多少の痛みを感じる方もいらっしゃいますが、我慢できないほど強いものではありません。また、痛みを感じる時間はほんの一瞬です。
そのため、過度の心配は不要ですが、どうしても痛みが不安な方は検査前に医師にご相談ください。
結果別|子宮内フローラ検査後の対応
子宮内フローラの検査後は、結果によって必要な対応に多少の差がでます。
- ラクトバチルスがいない
- ラクトバチルスが少ない
- 悪玉菌がいた(多い)
上記の3パターンについて、おすすめの対策を紹介します。
ラクトバチルスがいない
ラクトバチルスがいない場合、ラクトバチルスが含まれる食品やサプリメントなどを摂取する必要があります。
ただし、食事だけで十分な量のラクトバチルスを摂取するのは非常に困難です。手軽に習慣化できるサプリメントを上手に活用しましょう。
当クリニックでは「プロバイオティクスⅢ」と「シンバイオティクス」というサプリメントを取り扱っています。どちらもラクトバチルスを増やす働きが期待できるので、購入をご希望の方や両サプリの違いが気になる方はお申し付けください。
ラクトバチルスが少ない
ラクトバチルスが少ない場合、ラクトバチルスが増えやすい子宮内環境を目指すことが重要です。食生活の見直しや生活習慣の改善などを行い、身体を整えましょう。
また、ラクトバチルスが極端に少ない場合はサプリメントの摂取も効果的です。
悪玉菌がいた
ラクトバチルスが少ないときと同様に、子宮内環境の改善が必要です。また悪玉菌の割合や種類によっては抗菌薬を活用することもあります。
子宮内フローラ検査が受けられない人
子宮内フローラ検査を受けられない人は以下の通りです
- 妊娠中の方
- 月経中の方もしくは月経後3日以内の方
- 子宮内感染症の方
- 膣炎の方
- 骨盤炎症性病の方
- 凝血異常の方(バイアスピリン、抗凝固剤等内服中の方も含む)
- 検査時に不正出血がある方
正確な検査結果を得るためには、汚染されていない検体を採取する必要があります。上記に当てはまる方をはじめ、健康状態が悪い方は子宮内フローラ検査が受けられないのでご注意が必要です。
自身が子宮内フローラ検査を受けられるか不安な方は医師にご相談ください。
膣内フローラ検査の意義
膣内フローラが乱れると、「さまざまな疾患の発症」と「妊娠・出産への悪影響」が起こるリスクがあります。
これらのリスクを把握することが膣内フローラ検査の大きな意義です。各意義について解説します。
疾患の発症リスクの把握
膣内のラクトバチルスをはじめとする善玉菌が減り、細菌環境が悪化すると膣の自浄作用が低下します。すると細菌性膣炎や膣カンジダ、子宮内膜炎などさまざまな疾患が起こりやすくなるのです。
膣内の細菌環境を知ることは、自身の病気リスクの把握につながります。
妊娠・出産への影響の把握
膣と子宮はつながっているため、膣内の細菌環境の悪化は、子宮内の細菌環境の悪化につながりやすいです。その結果、子宮内フローラの項目で説明した通り、妊娠率や生児獲得率が低下します。
また、膣内の細菌環境の悪化によって引き起こされる疾患が妊娠や出産に与える影響も無視できません。膣や子宮の疾患にかかると免疫が活性化します。すると、免疫細胞が受精卵を異物として攻撃するようになり、着床が妨げられるのです。
膣内フローラ検査の方法
膣内フローラ検査では子宮内フローラ検査同様に、専用の細胞採取器具を膣内に挿入し、検体を採取します。
採取した検体は検査機関に送られ、高精度機器によってDNAの分析が行われます。
DNA分析によって、子宮内の細菌環境がわかるという仕組みです。
検査機関に検体が到着して3週間程度で結果が返却されます。
器具を膣の深くまで挿入することはないので、痛みリスクは非常に低いです。
膣内フローラを改善するために
膣内フローラを改善するためには、食生活の見直しや生活習慣の改善、ストレスや疲労を溜めすぎないなどの対策が効果的です。
また、手軽に習慣化できるサプリメントの活用もおすすめします。「プロバイオティクスⅢ」と「シンバイオティクス」というサプリメントを取り扱っています。どちらもラクトバチルスを増やす働きが期待できるので、購入をご希望の方や両サプリの違いが気になる方はお申し付けください。
膣内を綺麗にしようとしてお風呂で過剰に洗浄する人がいますが、得策ではありません。善玉菌が減ったり、乾燥によって炎症が促進されたりして、細菌環境が悪化するおそれがあるからです。
膣内および膣周辺はデリケートゾーン専用の石鹸などを使って、丁寧に洗いましょう。
膣内フローラ検査が受けられない人
以下の方は膣内フローラ検査が受けられません。
- 月経中の方もしくは月経後3日以内の方
- 検査時に不正出血がある方 など
血液が検体を汚染し、正確な検査結果が得られない可能性が高いからです。
膣内フローラ検査は子宮への刺激がないため、妊娠中でも受けられます。検査に関する疑問や不安な点がある方は、医師にご相談ください。
子宮内フローラ検査と膣内フローラ検査のどちらを受ければいいのか?
子宮内フローラと膣内フローラは密接に関連しており、8割程度の相関関係があるとされています。そのため、「どちらの検査を受ければいいのでしょうか?」という質問をいただくことも珍しくありません。
検査を選ぶポイントは以下の通りです。
| 子宮内フローラ検査 |
より 詳細な細菌環境を知りたい方におすすめ 子宮は着床や妊娠の維持に直接影響を与える器官です。また、膣と違い、外部と接触している器官ではないので、体内の細菌環境がより反映されているという特徴もあります。「より詳細な細菌環境を把握し、妊娠計画などに役立てたい」という方には子宮内フローラ検査がおすすめです。 |
|---|---|
| 膣内フローラ検査 |
痛みが不安な方におすすめ 一方、膣内フローラ検査は採取器具を深くまで挿入する必要がないので、子宮内フローラ検査と比較すると痛みリスクが低いのが特徴です。「おおよその細菌環境を知れればいいので、痛みはできるだけ少ない方がいい」という方は、膣内フローラ検査の方が向いているでしょう。 |
子宮内・膣内フローラ検査
に関するよくあるご質問Q&A
子宮内フローラ検査・膣内フローラ検査に関するよくあるご質問と回答を紹介します。
Q.
フローラ検査はブライダルチェックとしても活用できますか?
▼
はい、子宮内フローラ検査や膣内フローラ検査によって妊娠のしやすさや生児獲得のしやすさが把握できます。
ただし、フローラ検査のみでブライダルチェックの内容をすべてまかなえるわけではありません。くわしくは ブライダルチェックについてをご覧ください。
Q.
フローラ検査の結果が悪かったらどうすればいいですか?
▼
細菌叢の環境改善のためには、規則正しい生活や食生活の見直し、サプリメントの活用などが効果的です。
特に、ラクトバチルスがいない場合にはサプリメントの摂取をおすすめしています。当クリニックでは「プロバイオティクスⅢ」と「シンバイオティクス」というサプリメントを取り扱っています。どちらもラクトバチルスを増やす働きが期待できるので、購入をご希望の方や両サプリの違いが気になる方はお申し付けください。
Q.
フローラ検査の痛みが不安です。大丈夫でしょうか?
▼
膣内フローラ検査は膣の入口付近に採取用の器具を挿入するだけなので、ほとんど痛みはありません。一方、子宮内フローラ検査は膣の奥に器具を挿入するので、生理痛に似た痛みを感じる方もいます。
ただし痛みはそれほど強くないうえに、痛みを感じる時間も一瞬のため、我慢できないほどではありません。痛みが不安な方もどうかご安心ください。
Q.
フローラ検査は保険適用で受けられますか?
▼
いいえ。子宮内フローラ検査、膣内フローラ検査ともに保険適用外です。全額、自己負担ですので、あらかじめご了承ください。