不正出血とは?考えられる原因・病気
グランレディースクリニック渋谷
Metrorrhagia
不正出血について、しばらく様子を見ても大丈夫なものなのか、すぐに病院へ行くべき危険なサインなのかをご自身で判断するのは難しいものです。
この記事では、不正出血の様々な原因から、病院に行くか迷った際の簡単セルフチェックリスト、考えられる病気、病院での検査・治療法までを詳しく解説します。
不正出血とは?
不正出血とは、月経(生理)以外の理由で性器から出血が起こる状態を指します。出血の量や色は人によって異なり、月経と同じくらいのしっかりとした出血がある場合から、おりものに少量が混じる程度までさまざまです。
色は鮮血のような真っ赤な血や、赤黒い血だけでなく、茶色のおりものとして現れるケースもあります。この茶色い出血は、体内で出血してから排出されるまでに時間が経ち、血液が酸化したものです。
少量の出血や茶色のおりものは出血と気づきにくく、見逃してしまうケースも少なくありません。身体からの重要なサインを見落とさないためにも、普段からおりものの色や状態をチェックすることが大切です。
病院に行くべき?不正出血の受診目安セルフチェック
不正出血の症状は、鮮血が出た、茶色いおりものが続く、一日だけで止まった……などさまざまです。まずは以下のチェックリストで、ご自身の症状を確認してみましょう。
- 月経期間外に大量の出血がある
- 茶色いおりものが続く
- 不正出血が2週間以上続いている
- 不正出血が間欠的に繰り返し起こる
- 閉経したはずなのに出血がある
- 出血に加えて、激しい腹痛や腰痛がある
- 陰部にかゆみ、ただれ、腫れなどの違和感がある
これらはすべて、不正出血のサインです。
数日だけや少量の出血であっても、ご自身で「危険はない」と判断するのはリスクを伴います。原因不明の出血が見られた際には、量や期間に関わらず早めに医療機関を受診しましょう。
特に上記チェックリストの「大量の出血」「閉経後の出血」「激しい腹痛」「2週間以上の出血が続く」といった症状は、病気や炎症が隠れているサインである可能性があります。速やかに婦人科を受診してください。
不正出血の原因
不正出血の原因は多岐にわたりますが、主な原因として以下の5つが挙げられます。
- 排卵期出血(中間期出血)
- 妊娠に関連した出血
- 器質性出血(病気による出血)
- 機能性出血(ホルモンバランスの乱れ)
- その他(外傷、避妊器具によるものなど)
1.排卵期出血(中間期出血)
排卵期には、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が一時的に急減します。この影響で子宮内膜の一部が剥がれ落ち、少量の出血を起こすことがあり、これを「排卵期出血」と呼びます。
月経と月経のちょうど中間ごろに起こるため「中間期出血」とも呼ばれます。多くの場合、これは生理的な現象であり病気ではないため、過度な心配は不要です。ただし、いつもと違う出血や、長く続く場合は婦人科を受診しましょう。
2.妊娠に関連した出血
不正出血の中には、妊娠が関係しているものもあります。 代表的なものが「着床出血」です。これは、受精卵が子宮内膜に着床する際に生じるわずかな出血です。
時期としては妊娠3~4週頃にみられ、おりものに血が混じり、ほんのりピンク色や茶色になる程度で、月経ほどの量はありません。着床出血が全くない人も多くいます。
一方で、妊娠に関連する不正出血は、着床出血のような心配のないものばかりではありません。中には流産や子宮外妊娠など、緊急性の高い危険な兆候である可能性もあります。
当クリニックでは、妊娠の確認や、妊娠12週未満までの初期中絶手術を行っています。ご不安な方は、お早めにご相談ください。
3.器質性出血(病気による出血)
「器質性出血」とは、子宮、膣、卵管、卵巣などの女性器に、何らかの異常や病変が発生していることが原因で起こる出血です。
子宮筋腫やポリープなどの良性のものから、子宮頸がん・子宮体がんといった悪性のものまでさまざまです。
4.機能性出血(ホルモンバランスの乱れ)
「機能性出血」とは、ストレスや生活習慣の乱れなどにより、女性ホルモンのバランスが崩れることが原因で起こる出血です。
精神的なストレスだけでなく、過度なダイエットや激しい運動といった身体的ストレスも原因となります。また、ホルモンバランスが不安定になりやすい思春期や更年期にも、機能性出血は起こりやすくなります。
5.その他の出血(外傷によるものなど)
性交渉によって膣壁が傷ついて出血した場合や、子宮内に挿入する避妊器具(IUD)の影響で出血する場合も「不正出血」に含まれます。 これらの出血であっても、痛みが強かったり、出血が何日も続いたりする場合は、原因を特定するために婦人科の受診が必要です。
ピルによる不正出血は病院に行くべき?
ピルが原因の不正出血は、主に飲み始めの1~3カ月間や、飲み忘れた数日間に起こりやすいです。
これはホルモンバランスが新しい状態に適応しようとしている過程で起こるもので、多くの場合、ピルの継続的な服用によって自然に落ち着いていきます。
このような一般的な副作用による少量の出血であれば、様子を見てよい場合も多いです。ただし、出血量が多い、長期間(次のシートになっても)止まらない、強い下腹部痛・吐き気・倦怠感などを伴うなどの場合は、別の原因も考えられます。不安な際はクリニックにご相談ください。
グランレディースクリニック渋谷の 診療のご予約はこちらから
不正出血で考えられる病気
不正出血は、原因となる病気が多岐にわたります。
- 良性のできもの
- 悪性腫瘍(がん)
- 炎症や組織の変化
- ホルモンや子宮内膜の異常
- 妊娠トラブル
ここでは、病気の性質別に解説します。
1. 良性の腫瘍・できもの(ポリープ、筋腫など)
不正出血の原因としてよくみられるのが、これらの良性のできもの(腫瘍)です。
| 子宮筋腫 |
30代以降に多い子宮の筋肉にできる良性のこぶ。大きくなると不正出血や月経過多、強い月経痛が起こりやすい。 |
|---|---|
| 子宮頸管ポリープ |
子宮の入り口(頸管)にできる良性のポリープ。組織が柔らかく、性交渉やスポーツなどの刺激で出血しやすい。 |
| 子宮内膜ポリープ |
30代~50代に多い、子宮の内側(内膜)にできるキノコ状の良性のできもの。不正出血や月経過多、貧血の原因となる。 |
これらは良性の病気ですが、不正出血の主な原因となります。自己判断せず、まずは検査を受けて悪性(がん)でないことを確認しましょう。
2. 悪性腫瘍(がん)
最も注意が必要な不正出血の原因で、早期発見が極めて重要です。
| 子宮頸がん |
子宮の入り口(頸部)にできるがん。主な原因はHPV感染で、進行すると不正出血(特に性交時の出血)がみられる。 |
|---|---|
| 子宮体がん |
50代以降の閉経前後に多い、子宮の奥(体部)にできるがん。早い段階から不正出血が起こることが最大の特徴。 |
これらは、不正出血の原因として大いに警戒すべき病気です。特に子宮体がんは初期症状として閉経後の出血や月経以外の時期の出血が現れるケースが多いため、がんではないことを確認するためにも、不正出血があれば、早めに検査を受けることをおすすめします。
3. 炎症や組織の変化
炎症や、加齢・体質による組織の変化が原因で出血する場合もあります。
| 子宮腟部びらん (子宮頸部びらん) |
10代~30代に多い、子宮の入り口が赤くただれたように見える状態。組織が脆く、性交渉などの刺激で出血しやすい。子宮頸がんの初期と似ているため検査が必要。 |
|---|---|
| 性感染症 (クラミジア・淋菌など) |
クラミジアや淋菌などの感染による子宮頸管炎や腟炎。炎症で組織がもろくなり、性交渉時や排尿時の出血、おりもの異常の原因となる。 |
| 萎縮性腟炎 |
閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の減少で膣粘膜が薄くなり炎症を起こす病気。わずかな刺激で出血し、不正出血の原因となる。 |
子宮腟部びらん(子宮頸部びらん)は、症状が子宮頸がんの初期病変と似ているため、出血があれば検査が必須です。
4. ホルモン異常や子宮内膜の異常
ホルモンバランスの乱れや、それに伴う子宮内膜の異常が原因となる病気です。
| 子宮腺筋症 |
30~40代の出産経験者に多い、子宮の筋肉の壁が厚くなる病気。不正出血、激しい月経痛、月経過多、不妊の原因となる。 |
|---|---|
| 子宮内膜増殖症 |
ホルモン異常などで子宮内膜が厚く増殖する病気。不正出血がみられ、放置すると、一部は子宮体がんに移行するリスクがある。 |
| 排卵障害 |
卵巣の働きが低下し、ホルモンが正常に分泌されなくなる状態。不正出血、生理不順、無月経を引き起こす。 |
| 卵巣腫瘍 |
卵巣にできる腫瘍の総称(良性・悪性など様々)。卵巣腫瘍の種類や状態によっては、ホルモン分泌への影響や腫瘍の破裂により、不正出血や大量出血を起こす危険性がある。 |
これらはホルモン異常が関連する病気で、不正出血のほか激しい月経痛や不妊の原因にもなります。中には子宮体がんに移行するリスクや腫瘍破裂の危険もあるため、放置せずに検査を受けましょう。
5. 妊娠に関連するトラブル
妊娠トラブルの際の不正出血は、緊急性が高いケースがあります。
| 異所性妊娠 (子宮外妊娠) |
受精卵が子宮内膜以外の場所(主に卵管)に着床する危険な状態。不正出血や下腹部痛がみられ、破裂すると大量出血し命に関わる。 |
|---|---|
| 流産・切迫流産 |
妊娠中の不正出血で、流産(またはその前兆)や胎盤トラブルのサインである可能性あり。塊が出るような出血や激しい腹痛がある場合は、すぐに医療機関への連絡が必要。 |
これらは母体の命に関わる緊急事態のサインである可能性もあるため、ただちに医療機関を受診してください。
不正出血の検査
不正出血で受診された場合、まずその原因を特定するための検査を行います。グランレディースクリニック渋谷では、不正出血の原因を調べるため、主に以下の検査を実施しています。
| 超音波 (エコー)検査 |
超音波で子宮や卵巣の状態を画像で確認し、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、卵巣の腫れなどの器質的な異常を調べる。 |
|---|---|
| 子宮頸がん検診 (細胞診) |
子宮の入り口(頸部)をブラシで擦り細胞を採取し、がん細胞やその前段階の異常がないかを調べる。 |
| 子宮体がん検診 (細胞診) |
40代以降や閉経後の方などを対象に、子宮の奥(体部)の細胞を採取して検査する。超音波で子宮内膜の肥厚が疑われる場合にも行う。 |
これらの基本的な検査に加え、患者様の年齢や症状、出血の状態、妊娠の可能性などに応じて、性感染症の検査やホルモン採血検査などを組み合わせて行うこともあります。
不正出血の治療方法
不正出血の治療は、その原因に応じて行われます。
ホルモンバランスの乱れ(機能性出血)が原因と考えられる場合、出血が少量であれば、まずは生活習慣の改善などを指導しながら経過観察をします。
しかし、出血が長期間続いたり、出血量が多く貧血を伴ったりする場合には、ホルモン剤(ピルや黄体ホルモン製剤など)を処方し、薬剤によってホルモンバランスを整える治療を行います。
一方、病気が原因(器質性出血)の場合は、患者様と十分に話し合い、治療方針を決定します。
当クリニックで治療ができないような病気が発覚したり、さらに精密な検査が必要と判断したりした場合には、ほかの医療機関を紹介することも可能です。
まずはお一人で不安を抱えず、当クリニックにご相談ください。
不正出血はグランレディースクリニック渋谷へご相談を
突然の不正出血は「重大な病気かもしれない」と、とても不安になるものです。
「病院に行くのが怖い」「これくらいの少量なら大丈夫」と、症状を放置してしまう方も少なくありません。
しかし、検査を受けて原因をはっきりさせることが、患者様の安心につながり、万が一病気が隠れていた場合でも、早期発見によって治る病気は多くあります。
グランレディースクリニック渋谷では、患者様のお話を丁寧に伺い、不安なお気持ちに寄り添った診療を心がけています。
なお、不正出血は、出血が続いている状態のほうが原因を特定しやすい場合もあります。「出血が止まってから」と考えず、ご不安なタイミングでご連絡ください。
よくあるご質問Q&A
Q.
ストレスや疲れがたまると、不正出血は起こりますか?
▼
はい、起こり得ます。強いストレスや過度な疲労は、ホルモンバランスを乱す原因となります。これにより排卵がうまくいかず、「機能性出血」として不正出血がみられる場合があります。ただし、出血の原因が本当にストレスだけなのか、あるいは別の病気が隠れていないかは、検査をしないと分かりません。
Q.
茶色いおりものや、ごく少量の出血なら様子見で大丈夫ですか?
▼
茶色い出血は古い血液が排出されたもので、少量でも不正出血です。排卵期出血など一時的な場合もありますが、子宮内膜ポリープやがんの初期症状など、病気の場合でも、最初は少量の出血から始まるケースがあります。「少量だから大丈夫」と放置せず、続く場合や繰り返す場合は必ず婦人科を受診してください。
Q.
不正出血がありましたが着床出血でしょうか?
▼
着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に起こる少量の出血で、全ての妊婦に起こるわけではありません。よって、妊娠の有無をご自身で見分けるのは非常に困難です。妊娠初期の出血には流産や子宮外妊娠などの危険なサインも含まれます。市販の検査薬で陽性が出た、または妊娠の可能性がある場合は、すぐに受診してください。
Q.
更年期(40代・50代)になると、不正出血は増えるものですか?
▼
はい、更年期は卵巣機能が低下し、ホルモンバランスが急激に乱れるため、月経周期が不規則になり、機能性出血としての不正出血が増えやすくなります。ただし、この年代は子宮体がんなどの病気のリスクも高まる時期です。「更年期だから仕方ない」と自己判断せず、婦人科で検査を受けてください。
Q.
不正出血中に性交渉(セックス)はしてもいいですか?
▼
出血の原因が判明するまでは性交渉を控えてください。出血の原因が性感染症である場合、パートナーに感染させてしまうリスクがあります。また、性感染症でなくても、出血箇所から細菌が入り込む可能性があります。ご自身の体とパートナーを守るためにも、まずは受診を優先してください。
Q.
性交渉(セックス)の後に出血することがあります。大丈夫でしょうか?
▼
性交渉による摩擦で一時的に出血することもあれば、子宮頸管ポリープや性感染症(クラミジアなど)による炎症が原因の場合もあります。痛みがない場合でも、出血を繰り返すようであれば、子宮頸がんの初期症状なども否定できません。放置せず一度検査を受けましょう。
Q.
不正出血がどのくらい続いたら病院に行くべきですか?
▼
およそ2週間が目安ですが、身体に痛みや違和感があったり、量が多かったりする場合は、日数にかかわらず早めに婦人科でご相談ください。